ぜんざいやおはぎに使う「あん」で、新たな偽装です。このあんの原料・小豆の産地を偽っていた福岡の業者に対し、農林水産省は14日、JAS法に基づいて改善命令を出します。
きっかけは今年の夏、JNNによせられた情報でした。「北海道産小豆100%と偽って中国産の小豆を混ぜている」。問題の会社は福岡県の会社「ヤノフーズ」。山積みにされた段ボールのほとんどに「北海道産小豆」「国内産高級あん」の文字が並びます。
工場裏の倉庫にはあんの原料となる小豆が。その隣に積まれた白い袋に張られた紙には、中国語で生産業者などの情報が書かれています。中国産小豆のようです。中国産小豆が商品に使われているのでしょうか。見学者向けに行う説明を聞いてみました。
「本社は九州ではトップです。あんこに関して。日本で現在3番目。国産が大好きな消費国ですので、お客さんに直接渡る品物は全部北海道産の豆で」(ヤノフーズの工場長)
商品はすべて北海道産100%だと言います。北海道産は色つやが明るく形状が均一であるのに対して、中国産は色が濃く形もふぞろいです。
外見だけではありません。北海道産は美味しい小豆になるように品種改良をかさねて作り出されたもので、研究と努力の産物なのです。はたしてヤノフーズの商品は北海道産の小豆で作り出されているのでしょうか。DNA鑑定で検証してみました。
「確認できるのは5個と」(研究員)
確認された山は5つ。つまり5種類の豆が使われていた事になります。このうち右の3つは北海道の3品種を示していました。しかし・・・。
「北海道の小豆には存在しないタイプが含まれる。ライマメの一種と、インゲン豆の一種で金時豆の一種」(研究員)
2つの山は白あんの原材料にも使われるライマメと金時豆でした。さらに他の商品では、混入した豆の正体が分からないものもありました。これは中国産小豆ではないのでしょうか。元従業員が取材に応じました。
「『国産』と書いてある『つぶあん』に関しては、割合としては4分の1くらいは入っていますね」(ヤノフーズの元従業員)
これは元従業員の記憶を元に再現した豆の配合票です。数字は混ぜる小豆の量。その横に記された二重丸には特別な意味があるといいます。
「◎(二重丸)イコール天津産小豆が半分入っていますよ、と。配合票を見ないと二重丸は載っていないです」(ヤノフーズの元従業員)
二重丸は、数量のうち半分を天津産小豆にしろ、という指示だといいます。
Q.表ざたにならないよう、隠していた?
「そうですね」(ヤノフーズの元従業員)
はたしてヤノフーズは偽装表示を認めるのでしょうか。先月22日、社長が自身を撮影しないという条件で、取材に応じました。社長は取材依頼を受けてから体調を崩したといいます。
Q.北海道産100%でない商品があるか?
「あります。ちょっと頭が混乱して・・・」(ヤノフーズ社長)
ここで社長の体調が悪化、取材を一時中断しました。再開後、社長は中国産小豆・金時豆の混入を認めましたが、ライマメは覚えがないといいます。
Q.ライマメ混入は絶対にない?
「(ライマメを使う)白あんを先に炊きますから、釜は洗うが(白あんが)残る場合がある。その中で(ライマメが)混ざる可能性はなきにしもあらず・・・」
そして14日、農林水産省はヤノフーズに対して、JAS法に基づく改善指示を出します。
ヤノフーズの“偽装あん”については、大手スーパーのイオンなどがこのあんを使用したあんパン2種類、およそ128万個の返品・返金に応じるなど、影響が広がっています。(13日21:01)
[日语原文阅读]社会:あん偽装、福岡の業者に改善指示へ
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