料理の基本語句 調理器具について 調理器具には、食文化の違いが反映される。ここでは、日本で使う調理器具について説明する。 包丁の種類 包丁には、いろいろな種類がある。野菜を切るときに使うのが薄刃包丁(菜切り包丁)、魚を切ったり下ろしたりするときに使うのが出刃包丁、刺身にするときに使うのが柳刃包丁(刺身包丁)である。薄刃包丁の刃の長さ(刃渡り)は20cmくらい、出刃包丁は18cmくらい、刺身包丁は24cmくらいが一般的である。このような日本の伝統的な形の包丁を和包丁という。 台湾で使われる刃が大きく重たい包丁は、中華包丁という。日本では、中華料理店などを除き、中華包丁はあまり使われていない。 西洋式の包丁は、洋包丁やナイフknifeという。洋包丁としては、牛刀が万能包丁として一般に使われている。また、果物などを切るときにペティナイフpetit knifeを使うこともある。牛刀の刃の長さ(刃渡り)は18cmから24cmくらい、ペティナイフは12cmから15cmくらいのものが一般的である。 まな板 物を切るときに下に置く板を、まな板という。日本と台湾では、一般的なまな板の形が異なる。 日本では、四角い形のものが使われる。また、まな板には木の物とプラスティックの物があるが、今ではプラスティックの物を使うことが多い。 鍋の種類 日本で使われる鍋で、もっとも一般的な形のものは、雪平鍋(行平鍋とも書く)と両手鍋である。 卵や肉を焼いたり、炒め物をつくるときには、フライパンを使うことが多い。卵焼き(だし巻き)には、専用の卵焼き鍋(卵焼き器)もある。 また、深さのあるフライパンは、揚げ物にも使う。天ぷらには、専用の天ぷら鍋がある。 中華料理で使う底の丸い鍋は、中華鍋という。最近は、炒め物などに中華鍋を使う人も増えているが、一般の家庭で使うのは片手鍋(北京鍋)が多い。 冬場の鍋料理や雑炊には、陶器の土鍋を使うことがある。すき焼きには、専用のすき焼き鍋がある。 その他の調理器具・台所用品 食べ物を擦りつぶすとき、日本では擂り鉢と擂り粉木を使う。台湾や東南アジアで使う乳鉢と乳棒は、日本では食べ物に使うことはない。 (左)擂り鉢と擂り粉木、(右)乳鉢と乳棒 以下、いろいろな調理器具・台所用品の名前を紹介する。 (左)ゴムベラ・しゃもじ・フライ返し、(中)おろし器・ピーラー(皮むき器)・スライサー、(右)さじ・トング・はけ (左)ワインオープナー、(右)お玉・茶こし オクラと帆立貝(缶詰)の和え物 ◇ 材料 ◇
- 帆立貝の水煮缶:1缶 オクラ:8本 三杯酢(酢 3・しょうゆ 1・砂糖 1の割合で混ぜる):大サジ2 ◆ 作り方 ◆
- 三杯酢の材料を鍋にいれて沸騰させます。すぐに火を止めて、そのまま冷ましておきます。 帆立貝の水煮缶は、帆立貝と煮汁とに分けます。 オクラの半分を熱湯でゆがきます。オクラを冷水にとってから、小さく切ります。 オクラの残りの半分を包丁で細かく叩きます(粘りが出ます)。 三杯酢に帆立貝の水煮缶の煮汁を小サジ1〜2くらい加えます。 帆立貝・3・4・5をすべて混ぜあわせ、器に盛ります。冷蔵庫に入れて冷やします。
- オクラ【名詞】(おくら〔0〕)[外来語]okra 帆立貝【名詞】(ほたてがい〔3〕)[※「ホタテ」と書くことも多い] 缶詰【名詞】(かんづめ〔3〕/かんづめ_〔4〕) 和え物【名詞】(あえもの〔2〕/あえもの〔3〕/あえもの〔0〕) 水煮缶【名詞】(みずにかん〔0〕) 三杯酢【名詞】(さんばいず〔3〕)[※酢・醤油・砂糖を混ぜたもののこと。なお、酢と醤油を混ぜたものは二杯酢、酢と砂糖を混ぜたものは甘酢という] 割合【名詞】(わりあい〔0〕) 混ぜる【2類動詞】(まぜる〔2〕) 大サジ【名詞】(おおさじ〔0〕)[※「大さじ」とも書く] 沸騰する【3類動詞】(ふっとうする〔0〕)[関連語句:お湯が沸く、お湯を沸かす] 冷ます【1類動詞】(さます〔2〕) 煮汁【名詞】(にじる〔0〕) 熱湯【名詞】(ねっとう〔0〕) ゆがく[湯掻く]【1類動詞】(ゆがく〔2〕)[関連語句:茹でる] 冷水【名詞】(れいすい〔0〕) たたく[叩く]【1類動詞】(たたく〔2〕) ねばり[粘り]【名詞】(ねばり_〔3〕) 小サジ【名詞】(こさじ〔0〕)[※「小さじ」とも書く] 混ぜあわせる【2類動詞】(まぜあわせる〔5〕) 器【名詞】(うつわ〔0〕) 盛る【1類動詞】(もる〔0〕)[関連語句:盛りつける] 冷蔵庫【名詞】(れいぞうこ〔3〕) あじの竜田揚げ ◇ 材料 ◇
- アジ:2匹 酒:大サジ1 しょうゆ:大サジ 1/2 しょうがの汁:少々 かたくり粉 油 ◆ 作り方 ◆
- アジは三枚おろしにして小さな骨をとります。 1に酒・しょうゆ・しょうがの汁をいれて、約15分つけておきます。 2の水気を切って、かたくり粉をまぶします。 フライパンに油を入れて強火で熱します。油が160から170度くらいになったところで、火を弱くして中火にします。3を揚げます。
- アジ[鯵]【名詞】(あじ〔1〕) 竜田揚げ【名詞】(たつたあげ〔0〕) しょうが[生姜]【名詞】(しょうが〔0〕) かたくり粉[片栗粉]【名詞】(かたくりこ〔0〕/かたくりこ〔3〕) 三枚おろし【名詞】(さんまいおろし〔5〕) つける[漬ける]【2類動詞】(つける〔0〕) 水気【名詞】(みずけ〔0〕) 水気を切る まぶす【1類動詞】(まぶす〔2〕) フライパン【名詞】(フライパン〔0〕)[外来語]fry pan 強火【名詞】(つよび〔0〕)[※火加減の強い方から、強火・中火・弱火・とろ火という。] 中火【名詞】(ちゅうび〔0〕) 熱する【3類動詞】(ねっする〔0〕) 火を弱くする/↔ 火を強くする 揚げる【2類動詞】(あげる〔0〕)[関連語句:炒める] サバのトマト煮 ◇ 材料 ◇
- サバ(冷凍のものでもよい):4切れ ホールトマト(缶詰):1缶 タマネギ:1コ 油:大サジ2 小麦粉 水:大サジ2 しょうゆ(濃い口しょうゆ):小サジ2 砂糖:小サジ1 日本酒:大サジ2 ◆ 作り方 ◆
- サバは食べやすい大きさに切り、塩を振ってからザルにのせます。しばらくそのままにしておきます。 サバの水気をとって、小麦粉をまぶします。 タマネギは皮をむいて、薄くスライスしておきます。 フライパンにオリーブオイルをひいて、強火で熱します。 フライパンにサバを入れて(皮のある方を下にする)軽く焦げ目がつくまで焼きます。 サバをひっくり返して、その上にタマネギをのせます。 酒を振ってフタをし、しばらく蒸し焼きにします。 ホールトマトをまるごと入れ、水を加えて煮ます。 砂糖を振ります。 スープが煮立ってきたら火を弱火にし、しょうゆを加えます。 そのまま15分くらい煮ます。
- サバ[鯖]【名詞】(さば〔0〕) 冷凍【名詞】(れいとう〔0〕) 〜切れ(きれ) ホールトマト【名詞】(ホールトマト〔4〕)[外来語]whole tomato
[※トマトの水煮缶のこと] タマネギ[玉葱]【名詞】(たまねぎ〔3〕)/長ネギ(ながねぎ〔0〕/ながねぎ〔3〕)[※白葱ともいう] 小麦粉【名詞】(こむぎこ〔0〕) 濃い口しょうゆ【名詞】(こいくちしょうゆ〔5〕)/↔ 薄口しょうゆ 振る【1類動詞】(ふる〔0〕) ザル【名詞】(ざる〔0〕) むく[剥く]【1類動詞】(むく〔0〕) 皮をむく スライスする【3類動詞】(スライスする〔2〕)[外来語]slice オリーブオイル【名詞】(オリーブオイル〔5〕)[外来語]olive oil 焦げ目【名詞】(こげめ_〔3〕/こげめ〔0〕) 焦げ目をつける ひっくり返す【1類動詞】(ひっくりかえす〔5〕) 蒸し焼き【名詞】(むしやき〔0〕) 蒸し焼きにする まるごと【副詞】(まるごと〔0〕) 煮る【2類動詞】(にる〔0〕) 煮立つ【1類動詞】(にたつ〔2〕)[関連語句:沸騰する・沸く] 料理の基本語句 料理の基本語句のうち、上の例文にない語を挙げておく。
- 料理をする ご飯を炊く ご飯をよそう/ご飯をよそる 茶碗・汁碗 大皿・小皿・取り皿 蒸す/蒸かす 焼く/炙る [醤油・ソース・塩]を掛ける [醤油・わさび・からし・タレ]をつける [バター・タレ]を塗る 栓を抜く 蓋を開ける・[蓋を閉める]
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