前書き 日本語の原因表現は豊富多彩である。意味が近い表現もあれば,お互いに置き換えない表現もある.この使い方の区別があるのは、日本語の中での主観的な表現と客観的な表現がはっきりしているからだ。と同時に修辞色彩の違いも含まれている。中国語の中で、原因表現は含みがあり、内に秘める。中国の日本語学習者が時々原因表現を入り混じて区別がつかないのが普遍である。 中日両国の原因表現の異同を比較することは,日本語を勉強するのに大いに役に立つだろう。 本論 日本語の原因表現は次のように分けられている。 一、格助詞 1、“で”は客観的な原因を示す。 ① 病気で一週間学校を休んだ。 因为生病向学校请了一个星期的假。 ② 家事で家を焼いてしまった。 因火灾房子烧掉了。 この場合には後の文は不可能、心理と体の状態などの原因を表す言葉であるが、話し手の意志と命令を示してはいけない。 2、“に”は一時の感情、心理と生理現象などの原因を表している。 ① 課長は花子の失敗にひどく腹を立てた。 科长因花子的失败很是生气。 ② 私たちは酒に酔っ払いました。 我们喝醉了酒。 “に”は特に心理現象の原因を表す。 3、“から”は普遍起点性の原因を示し、消極の結果を引き出している。 ① 二人は小さいことから喧嘩になった。 两个人因为一点小事吵架了。 ② お酒の飲みすぎから体を壊してしまった。 因为饮酒过量搞坏了身体。 ③ 不注意から事故を起こしてしまった。 因为不注意导致事故发生。 二、接続詞 1、“それで”は前の事柄を受けて、それに前の文の内容を認めた上で、“その理由で”という意味を表す。後の文は状態表現が普通である。 ① 妹はこのごろ甘いものばかり食べています。それで太ってしまいました。 妹妹最近老是吃甜食,所以变胖了。 ② あの社長はなかなか頑固者らしい。それで周りの人間は困っているようだ。 那个社长相当固执,所以周围的人不知所措。 2、“そこで”は前の事柄を受けて場面を設定し、それに対する意志的行動か、自然な成り行きを述べる場合に使われる。主に話し言葉で使う。 ① 電話のベルがなった。そこで、受話器をとった。 电话铃响了,于是拿起了听话筒。 ② あまり時間がない。そこで結論を急ごう。 没时间了,所以快点下结论。 3、“だから”、“ですから”は前の事柄の当然の結果として後の事柄が起こるという話し手の判断を表す。 ① 田中さんは公務員だ。だから、不況のときも失業する心配がない。 田中是公务员。所以,即使不景气时也不会担心失业。 ② 日本では終身雇用制が普通だ。だから、みんな会社のために一生懸命働く。 在日本普遍是终身雇用制。所以,大家都为公司而拼命工作。 4、“したがって”は理由よりも結果を強調する。場合に用いられて、書き言葉に使われる硬い表現である。後の文に意志表現は使うことができない。 ① 日本の火山が多い。したがって、温泉も多い。 日本的火上很多。所以,温泉也就多了。 ② 過半数の人が賛成しました。したがって、この案は可決されました。 大多数人赞成,所以,这个方案可行。 三、接続助詞 1、“ばこそ”は“――からーーのだ。ほかの理由ではない”といいたいときに使う表現である。 ① 君の将来を考えればこそ、忠告するのだ。 正是因为考虑到你的将来,所以给与忠告。 ② 音楽があればこそ、こうして生きていく希望もわいてくる。 正是因为有了音乐,所以才有活下去的希望。 2、“から”は話し手が主観的に認めた理由、原因を表すもので、後の文の述語は意図、願望、命令などの主観的な表現が多い。 ① あした家でパーテイーをしますから、きてください。 因为明天家里举行派对,请过来。 ② 今日はお天気がよいから、遊びに行きましょう。 今天天气不错,去玩玩吧。 3、“ので”は因果関係で結ばれる二つの事柄が一般的に言って明らかな事実であるような場合にその原因、理由を表すのに用いる。 ① あしたは子供の日なので、学校は休みです。 因为明天是孩子的节日,所以学校休息。 ② わがむす子もそのような年頃なので、嘆いたり、おこったりしないように日ごろから心がけるようにしている。 因为我家儿子也是那样的年纪,所以平日里就留意不要叹气,生气等。 4、“て”は軽度の原因表現で,後の文は不可能と心理および体の状態を示すもので、話し手の命令、意図などを表すものではない。 ① おくれてすみません。 迟到了,对不起。 ② 母の病気のことが心配して、眠れませんでした。 因为担心母亲的病,所以睡不着。 5、“し”は理由を重ねて言うときに使うもので、それのあらわす原因は“から”、“ので”ほど直接ではない。 ① 今日は仕事もあるし、雨も降っているし、ジョギングはやめよう。 今天又有工作,又下雨,就不要跑步了吧。 ② 今日は暇だし、天気もいいから、公園に行きましょう。 今天又有空。天气又好,就去公园吧。 6、“ものだから”、“ことだから”は“から”の補充だといえる。“ものだから”は個人的な言い訳をいいたいときによく使う言い方である。”ことだから”は話しての判断の根拠である。 ① 今週は忙しかったもので、お返事するのがつい遅くなってしまいました。 因为这周太忙了,所以回信晚了。 ② 戦争中のことだから、何が起こるかわからない。 因为是战争时的事情,所以不明白发生了什么事。 四、原因慣用型 1、“ために”は普通ではない結果となった原因について言うのである。一般的な原因に使えば、文は不明になることがある。後の文は意志と請求を示すのに用いることができない。 ① 大雪のため、電車が遅れています。 大雪的缘故,电车迟到了。 ② おいしかったため、食べ過ぎてしまった。 因为好吃,吃过头了。 2、“ばかりに”は“そんなことは原因で、予想外の悪い結果となってしまった“といいたいときに使われている。後の文は話し手の遺憾と後悔の気持ちを表すことが多い。 ① コンピューターの知識がないばかりに、社内の希望の課にいけなかった。 因为没有计算机的知识,所以没能去公司内希望去的科。 ② パスポートを取りに行ったが、はんこを忘れたばかりに、もらえなかった。 去取护照,因为忘带印章,所以没拿到。 3、“だけに”は“――ので、当然のことだが”といいたいときに用いられている。 ① 連休だけに、道路は行楽地へ向かう車でいっぱいだ。 因为连休,所以路上都是去游乐场的车。 ② 父は年をとっているだけに、病気をすると心配だ。 因为父亲上了年纪,所以生病的话很担心。 4、“につき”は“--という理由で”という意味を表すもので、常に通知、掲示といった場合に使われている。
||| ① 店内改装につき、しばらく休業いたします。 店内重组,所以暂且休业。 ② 本日は祭日につき、休業。 今天是祭祀日,所以休业。 5、“おかげで”は”--の助けがあったので、よい結果となった”と感謝の気持ちで言うときに用いられている。 ① 彼が今朝電話をかけてきてくれたおかげで、遅刻しないですんだよ。 因为他今天早上打电话过来了,所以不会迟到。 6、“上は”は”--のだから当然”と理由をいい、話す人の判断、決意、勧めなどを言うときに使われている。 ① 社長は決断した上は、われわれ社員はやるしかない。 既然社长都决定了,我们员工只有做了。 7、“こととて”は理由、根拠を示す、古いあらわし方である。 ① 世間知らずの若者のしたこととて、どうぞ許してやってください。 因为是不知世情的年轻人干的,就请原谅吧。 8、“とあって”は“――のでーーだ”という観察などを言いたい時に使われていて、後の文は話し手の見えた特殊の状況を示すことが多い。 ① 外国へ行くのは初めてとあって、会員たちはみんな興奮していた。 因为是初次去外国,所以员工们都很兴奋。 9、“によって”は客観的に理由、原因を示すので、書き言葉に用いることがある。 ① この店は一昨年からの不景気によって、ついに閉めることとなった。 这个店因为去年的不景气,最终导致关闭。 10、“ゆえに”、“ゆえの”は原因、理由などの意味を表すもので、後の文は消極の結果が多い。 ① 円高の故、今年の夏休みに海外に出かけた人々は例年よりおおかった。 因为日元升值,所以今年暑假去海外的人比往年多。 11、“せいで、せいか、せいだ”は”--の原因で、悪い結果となった”といいたいときの言い方である。 ① 兄さんは今日晩御飯をぜんぜん食べなかったのは病気のせいだと思う。 哥哥今天晚上一点都没吃是因为病的缘故吧。 12、“だけあって”は”その才能や身分に憂さわしくーーだ‘と感じたり、ほめたりするときの言い方である。 ① 書法ができるだけあって、一等賞を手に入れる。 正是因为会书法,才拿到一等奖。 五、以上は原因表現を初歩的に検討したが、次は常にいくつかの誤用しやすい表し方を簡単説明したい。 1、“から”と“ので” 文が伝達する内容は三つに分けられる。それは①話し手自身の領域;②話し手と聞き手共有の外部領域;③話し手と聞き手の外の客観領域。”から”を使うと、伝達する内容は上の三つの内容を含める。でも、”から”の主要な機能は新しい情報を話し手と聞き手の共有の領域に輸送する。だから、”から”は会話によく使われている。 “ので”は話し手と聞き手の情報領域の客観事実を表すほかに、多数は話し手自身の体験と認識を表現する.話し手と聞き手の共有領域を表すことができない。だから、”ので”は会話の中に使われることが少なくて、随筆、脚本の中で使う。 ① 熱いお湯が沸いているから、飲みませんか。 水开了,喝吗? ② 私は両親に死に分かれましたので、親類の家の世話になりたいと思ってでてきました。 我因为失去了父母双亲,想得到亲戚家的帮助就出来了。 “ので”を使う第二の場合は前の文は話してが周りの事柄の認識を表して、後の文は話し手の体験する行為と認識などの情況である。 2、“ばかりに”と“だけに” “ばかりに”は一般的に”そんなことは原因で、予想外の悪い結果となってしまった“といいた鋳物で、あとの文は話してが結果状態の中にいて、遺憾と後悔などの気持ちを表す。”するつもり”などの意志を表現する文は出てくることができない。 “だけに”は”--ので、当然のことだが”といいたいときに使われている。そして、前の文はある理由を表現する事実であるが、後の文は”前と相応する能力、価値を表す”という当たり前の評価と判断を表す。 ① 働きがないばかりに、周りの人に馬鹿にされている。 就是因为没有工作,才被周围人看不起。 ② さすがスピーチ大会で優勝した李さんだけのことはある。今日のパーテイ -のスピーチもとても上手だった。 真不愧是在演讲大会上获胜的小李啊。今天派对上的演讲同样精彩。 3、“それで”と“そこで” “それで”は前の事柄を受けて、”その理由”という意味を表すもので、前の内容を認めた上で次に述べるべき事柄を展開させるときに使う接続語である。 “そこで”はある場面を設定して、その場面に対処するために起こす意志的行動か、その結果おのずと落ち着く状態を述べる場合に使われる。 ① きのうのばん熱が出て、それで今日は学校を休んだ。 昨天晚上我发烧了,所以今天请假没上学。 ② 今度の事件ではかなりの被害が出ています。そこで、ひとつ皆さんにご相談があるのですが。 在这次事故中受害非常严重。为此,想和大家商量一下。 終わりに 日本語と比べると、中国語の原因表現含みがあり、内に秘めている。だから、中日両国の言語の原因表現上の異同を比較することは、中国の学生にとって日本語を勉強するのに、大いに役立つのである。 文献 1 日本语通论 崔銮 大连理工大学出版社 2 接续的表现 横林宙世 荒竹出版 下村彰子 3 日语语法表现辨析 孙满绪 世界图书出版公司 4 日语疑难通 刘金剑主编 大连理工大学出版社 5 日语接续词例解词典 李晶编著 外语教学与研究出版社 6 日语句型标准表达 乔国钧等编著 大连理工大学出版社
日语知识点:全称日本语,是日本国的官方语言。语言系属有争议,有人认为可划入阿尔泰语系,也有学者认为是扶余语系,也有日本学者认为是孤立语言(有些日本学者继而提出韩日-琉球语族的概念、并认为日语从属之)或日本语系。
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