アメリカ軍普天間基地の受け入れが争点になった沖縄県の名護市長選挙で、日米が合意した辺野古沿岸部への移設に反対する稲嶺氏が新しい市長となりました。これを受けて政府与党内では、現行の日米合意をそのまま実現することはほぼなくなった、という見方が強まっています。
当選した稲嶺氏は「信念を持って新基地反対を貫く」と述べ、辺野古沿岸への移設に反対する姿勢をあらためて強調しました。
「県内で代替施設を求めるということではなくて、安全保障という立場からすると、日本全国で考えていただくことを全国民にご理解いただきたい」（名護市長に当選した稲嶺進氏）
鳩山総理は・・・。
「名護市民の一つの民意の表れだと、これは当然ですよね。私どもとすれば、まさにゼロベースでね、この問題を国が責任をもって５月の末までに結論を出すとしているわけですから、そのことは必ず履行をいたします」（鳩山首相）
鳩山総理は２５日朝、この結果について「民意の表れだ」とした上で、５月末までに移設先の結論を出す、と改めて強調しました。
「（政府与党の検討委で）新しい案も含めて、現行案と一緒に検討するということですから、沖縄の皆さんに政府が本来、決めるべきものを過重に選択を任せるような風潮もよくない」（北澤俊美防衛相）
防衛省では２４日、北澤防衛大臣と幹部が協議し、名護市辺野古沿岸部に移設するという日米合意をそのまま実現することは難しくなったが選択肢として排除しない、と確認しました。防衛省は日米合意を前提にした環境影響評価の評価書を今月中にも提出する方針です。
政府の中では新たな移設先が見つからなかった場合に備えて、名護市辺野古の陸上部など日米合意の修正案も模索することになります。
「この内閣の中で辺野古沿岸部に海上基地をつくらない」（社民党・福島みずほ党首）
一方、与党の社民党は、グアムや長崎県にある自衛隊の大村基地など、国外・県外の移設先を検討しています。また国民新党は「辺野古移設案は候補にならない」として、沖縄県の嘉手納基地への統合を軸にした案を検討しています。（25日11:08）
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