９月１日に告示される民主党の代表選挙を巡り菅総理と鳩山前総理が２９日の夜に会談し、対立を深めている菅総理と小沢前幹事長の会談の実現に向けて調整することになりましたが、全面対決を回避するのは難しい情勢です。
会談で鳩山氏は、党内で菅総理と小沢氏の対立が激しくなっていることに懸念が広がっていることから、菅総理が小沢氏と会って話し合うよう要請し、菅総理も「仲介して頂ければありがたい」と応じる考えを示しました。
その際、菅総理はこれまでの小沢氏に対する発言などについて、「失礼があった」と謝罪する意向を示したものの、小沢氏の処遇については一切触れなかったということです。
これを受けて、鳩山氏はきょう午後、小沢氏に会って会談の内容を説明し、菅総理との会談をきょうにも実現する方向で調整することにしています。
しかし、鳩山氏周辺は、「菅さんからは党を分裂させてはいけないという危機感が感じられない」と語り、鳩山氏による調整が限界に来ているとの見方を示しました。
一方、小沢氏の側近議員も「出馬の意思は全く変わらない」と明言していて、小沢氏が菅総理との会談に応じるかどうかも不透明で、全面対決の回避は難しい状況です。
「『ここは私どもは政治家として』であるからして、ここは小沢一郎さんだと逆に思うんですよ」（民主党・山岡賢次副代表）
ＴＢＳの番組に出演した山岡副代表は、参院選で負けた以上、菅総理は一度退くべきで、ここは小沢氏でなればねじれ国会での野党との協議も進まないという考えを示しました。同じ番組に出演した蓮舫行政刷新担当大臣は、菅総理を支持していますが、菅・小沢両氏が話し合うのが大切だとした上で、次のように述べました。
「もし、選挙がなくなるという可能性があるのかないのか、私には分かりませんけれども、その時には、どうしてなくなったのかを説明をする責任はあると思います」（蓮舫行政刷新担当大臣）
菅総理は朝９時前に総理官邸に入り、公務をこなしています。一方の小沢氏は午前１０時に国会内の事務所に入り、海江田衆院議員や辻衆院議員らと会談していますが、この中で当初、出馬が取り沙汰されていた海江田氏は、小沢氏支持を明言しました。
一方、原口総務大臣は仙谷官房長官と会談し、党が一致結束すべきとの認識で一致しました。
「党の中がしっかり一致してやれるようにと分断みたいな話にお互いのらないと、そんな話をしました」（原口一博総務相）
国会内では樽床国対委員長のグループや、護憲派の「リベラルの会」など、党内の各グループが会合を開いて代表選への対応を協議しました。
夕方には、菅総理を支持するグループが、前原国土交通大臣や野田財務大臣のグループと共に江田前参院議長を本部長とする合同の選挙対策本部を発足させます。
小沢氏の陣営も国会議員、地方議員、党員・サポーターに対する個別の働きかけを本格化するなど、代表選に向けた両陣営の動きが加速しそうです。（30日11:18）
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